古い玄関引き戸の鍵は交換だけで大丈夫？
古くなった玄関引き戸には、鍵がかかり難くなったり、引き戸の開け閉めがスムーズにできなくなったりすることがあります。
鍵がかかり難い状態が続くと、外出帰宅の度にストレスを感じるだけではなく、完全に施解錠できなくなってしまう恐れもあります。そうなる前に鍵の交換を検討されることと思いますが、鍵の交換だけで問題は解決するのでしょうか？
Contents
玄関引き戸の鍵の種類
多くの住宅に使われている2枚建ての玄関引き戸には、1ヵ所から3ヵ所に鍵が取り付けられています。4枚建ての玄関引き戸には2ヵ所から4ヵ所、片引き戸には1ヵ所に取り付けられています。
取り付けられている鍵には、取り付けられている場所によって異なる2種類の鍵があります。この2種類の鍵は形状が異なるため、召し合わせ部分には戸先錠は取り付けられず、引き戸と枠の間には召し合わせ錠は取り付けられません。
それぞれの部位に適した錠を交換する必要があります。
召し合わせ錠
引き戸の中央、引き戸と引き戸が重なる部分に取り付ける錠です。引き違い戸錠という名称もあります。2枚建玄関引き戸には1ヵ所、4枚建玄関引き戸には2ヵ所に取り付けられています。
古い玄関引き戸召し合わせ錠の中には、内側からしか施解錠出来ないタイプもあります。この場合、外出時には戸先錠だけを施錠するので、防犯性に不安がありました。
現在は、外からも内からも施解錠できるようになっていることに加え、在宅時は内側のつまみを取り外せるようになっています。
戸先錠
玄関枠に触れる部分に取り付ける鍵で、玄関の枠と引き戸を施錠する働きをします。召し合わせ錠より複雑な形状なので、交換に際しては交換できる鍵の種類が限定されます。
玄関引き戸の鍵の交換方法
基本的に玄関引き戸であっても玄関ドアであっても、防犯という観点から考えると、DIYで交換するよりも、専門業者に交換を依頼する方が確実です。
ただ、玄関引き戸の鍵の中で召し合わせ錠は比較的手軽にできるので、交換の手順を見てみましょう。
DIYでする方法
DIYでする場合の準備と手順を確認していきましょう。
現在使われている鍵と同じメーカーで同じ型番の鍵を購入する
現在取り付けられている鍵のメーカーと型番を確認し、ホームセンターや通販で購入します。
ただし、古い玄関引き戸の鍵の中には既に廃番になっている製品もあります。その場合には、店のスタッフに現在の鍵のメーカーと型番を伝え、代替製品を紹介してもらいましょう。
交換用の引き戸の鍵の購入準備
代替製品を紹介してもらう際には、下記の情報について聞かれることがあるので、あらかじめ計っておきましょう。
- ①玄関引き戸の厚みと切り抜き穴の長さと幅
- ②外部化粧座という室外側の長方形のカバー部分
- ③内部化粧座という室内側の長方形のカバー部分の上下に埋め込まれたビスピッチ
※ ビスピッチとはビスが通っていた穴と穴の間の距離を指します。ビスがついたままの状態では正確に測れないので、内部化粧座のカバーを取り外して測りましょう。
現在引き戸についている鍵の取りはずし手順
- ① 室内側からプラスドライバーで上から順にビスを緩め、内部化粧座と内部ケースを外す
- ② 室内側から外部化粧座の裏にあるビスを緩め取り外す
新しい鍵の取り付け手順
- ① 内部ケースを切り抜き穴にはめ込む
- ② 内部ケースの角穴にささるように内部化粧座をはめ込む
- ③ ビスをプラスドライバーで締める
DIYでの注意点
- ① もっとも重要なことは、交換できる鍵を入手するということです。同じメーカーの同じ型番の鍵が見つかれば良いのですが、交換できない鍵を購入してしまうと、返品できないので、無駄な出費になってしまいます。
- ② DIYに慣れていないと、ビスをなくしてしまったり、ネジ山を壊してしまったりすることがあるので注意しましょう。
DIYで召し合わせ錠を交換する場合の費用相場
召し合わせ錠と、もし持っていなければプラスドライバーを購入する費用だけですみます。
召し合わせ錠の製品代
YKKAPのオンラインショップで見ると、2枚建て用召し合わせ錠には5,000円程度の製品と1万円程度の製品があります。
リクシルのオンラインショップで見ると、2枚建て用内外錠には、6,000円程度の製品と1万円以上の製品があります。
プロに依頼する玄関引き戸の鍵交換費用
戸先錠の交換では、鍵の専門業者に依頼して交換してもらいます。召し合わせ錠もできれば専門業者に依頼する方が安全です。
専門業者に依頼する場合にかかる費用は、交換作業費 15,000～20,000円と、鍵の製品代です。交換作業費の他に、出張料、駐車料金などが発生する場合もありますが、業者によってルールが異なるので、依頼する際には確認しましょう。
戸先錠の製品価格
YKKAPのオンラインショップで見ると、2枚建て用戸先錠には4,000円程度の製品から4万円程度の製品まであります。
リクシルのオンラインショップで見ると、2枚建て用内外錠には、9,000円程度の製品から4万円程度の製品まであります。
古い玄関引き戸は鍵の交換だけでは危険
新築からそれほど年数が経っていないにも関わらず、防犯性が高い最新の玄関引き戸の鍵に不具合が起きてしまったとしたら、鍵の交換だけで玄関の防犯性は維持でき、住宅の安全は守られます。
一方、築10年以上経っている住宅の玄関引き戸の鍵に不具合が起きた場合、鍵の交換だけでは、確実な防犯性は得られません。
召し合わせ錠だけしか取り付けられていない、格子の幅が広くガラスを破壊しやすいというような玄関引き戸の住宅は、防犯性が低く、侵入窃盗の被害にあう危険が高い家です。
また、戸先錠がつけられていても、古いタイプの鍵が使われている場合、ピッキングを防げません。現在、主流になっている鍵はディンプルキーと脱着シフターです。
ディンプルキー
セキュリティキーとも呼ばれる現時点で最もピッキングに強い鍵です。メーカー以外では合鍵も作れません。最新の玄関引き戸の鍵にはこのディンプルキーが使われています。
ピッキング
ピックと呼ばれる金属製の特殊工具を鍵穴に入れ、ドアの錠を短時間で開けるという手口。ピッキング手口に対応した錠でなければ、１分もかからず開錠されて屋内に侵入されてしまいます。
脱着シフター
室内側についている鍵を操作するシフターが取り外しできるになっています。万が一ガラスが破壊されてしまっても、シフターがないと鍵の操作ができないので、引き戸を開けられません。
格子のデザイン
ガラスが割り難い幅になっているデザインの格子が揃っています。
ガラス破り
窓ガラスを破壊し、そこから手を入れて解錠して侵入する手口。通常のガラスであれば、わずか数秒で破壊できます。近所への買い物やペットの散歩など、わずかな留守の間でも被害に遭う可能性があります。
引き戸の良さを活かしつつさらに快適にする玄関引き戸の交換
玄関引き戸には、通行がしやすい、玄関周りをゆったり使える、玄関内が明るいなど、数々の使い勝手の良さがあります。その一方、古い玄関引き戸には、開閉し難いなどの不具合や、寒い、西日で暑い、結露が出るなどの問題はありませんか？
断熱性と遮熱性のある玄関引き戸にすると、これらの不具合や問題はすべて解決できます。さらに、玄関の雰囲気が一新され、おしゃれな玄関周りに生まれ変わります。
鍵の調子が悪い…と感じたタイミングは、その他の不具合が出始める兆候とも言えます。費用は40万円程度かかりますが、住宅の快適性向上と今後数十年の住宅の安全が得られます。
鍵の交換を考えていたけれど、玄関ドア交換も視野に入れて考えた方が良いのかしら…？という場合には、お気軽にご相談ください。
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