玄関ドアを引き戸に交換するリフォームのポイント

 

玄関ドアのリフォームを検討する際、引き戸に変えたいという希望は少なくありません。引き戸には玄関ドアにはない利便性があるからです。防犯性が低下するのではないか？鍵にリモコンキーなどの電気錠は使えるのか？間口は足りるのか？など、引き戸に交換することへの不安や疑問を解決して、引き戸へのリフォームを成功させましょう。

玄関ドアから交換できる玄関引き戸の種類

玄関ドアの交換リフォームには、壁を壊すリフォームと、壁を壊さないリフォームがあります。壁を壊すリフォームの場合には、玄関ドアから交換できる玄関引き戸の種類への制限はありません。しかし、どの方法をとると、壁を壊す工事費用と壊した壁の廃棄量が嵩むため、リフォーム全体で数百万円の費用が発生してしまいます。

カバー工法という壁を壊さずにできる工事の方法が開発された現在では、特別な事情がない限り、壁を壊す工事での玄関ドア交換はほとんど行われていません。そこで今回は、20万円～40万円程度の費用で玄関ドアや引き戸の交換ができるカバー工法を前提として、玄関ドアから引き戸への交換について考えて行きたいと思います。

壁を壊さずに玄関ドアから引き戸に交換する場合、壁を壊す工事にはなかった間口による制限が生まれ、玄関ドアから交換できる玄関引き戸の種類が限られます。そして玄関ドアから交換できる引き戸には、引き戸とスライディングドアがあります。

玄関ドアから交換できる玄関引き戸とスライディングドア

引違い戸（2枚建）

2枚の引き戸を引き違えて開閉する引き戸です。引き戸一枚分の開口部です。

袖付2枚連動引込み戸

3枚の引き戸の内、2枚を動かせる引き戸です。引き戸2枚分、間口の3分の2まで開口部が拡がります。玄関ドアから交換できる玄関引き戸の中で、内引込み戸の次に広い通行の幅が得られます。バリアフリーを意識したリフォームでは人気が高い引き戸です。

内引込み戸

2枚の引き戸が左右の壁に沿って引き込まれる引き戸です。両開きドアと同じだけの開口部の広さです。玄関ドアから交換できる玄関引き戸の中で、最も広い通行の幅が得られます。

内片引込み戸

１枚の引き戸が壁の室内側に引き込まれる引き戸です。壁に引戸が入るので外観がすっきりします。

外片引込み戸

１枚の引き戸が壁の外壁側に引き込まれる引き戸です。玄関内に引戸が入らないので、玄関内の壁を有効に使えます。

袖付タイプのスライディングドア

１枚の扉を袖の上に引き込んで開閉するスライディングドアです。

外引込みタイプのスライディングドア

１枚の扉を外壁に沿って引き込んで開閉するスライディングドアです。

玄関ドアから交換できない玄関引き戸

玄関ドアの中で最も間口の広い両開きドアであっても、壁を壊さずには交換できない玄関引き戸もあります。

引違い戸（4枚建）・引分け戸

4枚の引き戸の内、2枚を同時に開けるので、両開きドアと同じだけの開口部が得られます。引違い戸（4枚建）が、通風量の調節の為、片側1枚分だけ開放しておくこともできます。

 参考サイト　YKKAP　玄関ドアの教科書

玄関引き戸の防犯性と鍵の種類、電気錠

最新の玄関ドアと玄関引き戸の防犯性能を比較すると、玄関ドアの方に軍配が上がることは否めません。しかし、昔の引き戸と違い最新の引き戸には、数々の防犯対策が施されていることも事実です。

室内側3か所、室外側2か所に設けられている錠

侵入強盗犯は犯罪発覚のリスクが高まる為、開錠に時間がかかるとあきらめる傾向があります。その観点から考えると、防犯のポイントの一つは開錠に時間がかかることです。5か所の錠全てを開錠するには相当時間がかかる為、侵入強盗のリスクが低下します。

ピッキングに強いディンプルキー

針金のような特殊な道具を使って開錠するピッキングに強い、複雑な形状のディンプルキーが採用されています。

ガラス破りによる開錠を防ぐ脱着シフター

ガラスを壊すなどの方法で引き戸に穴を空け、手を差し入れて玄関内のツマミを回して開錠するという手口があります。この手口に対しては取り外しできるツマミで防止対策ができます。

ガラス破りや、ドア錠破りはいずれもドアを不正開錠し、こじ開けて家の中に侵入する犯罪です。そして、侵入強盗犯が、最も嫌うこと、犯罪をあきらめる原因となることは、開錠に時間がかかることです。侵入者の多くは、5分以内に開錠できないと、侵入をあきらめるそうです。

参考サイト　警察庁　住まいる防犯110番

電気錠（リモコンキー）

残念ながら、リフォーム用玄関引き戸、スライディングドアではリモコンキーが使えません。

玄関引き戸の通風の調整と網戸

玄関引き戸には、玄関ドアと違って前方に場所がとられないという良さがありますが、その他に、開く幅によって、風の量を調節できるという良さがあります。玄関には窓のついていない間取りが多く、カビや嫌なニオイが発生するなど、玄関内の換気の悪さが悩みの種になっている住宅も少なくありません。玄関ドアの場合、少しだけ開けておくというようなことはできず、通風機構のついた玄関ドアにしなければ、玄関内に風が採り込めません。しかし、引き戸であれば、開く幅を調節して程よい風が採り込め、換気ができます。

オプションで網戸がつけられるので、虫が侵入する心配もありません。網戸には、ブラックネットとステンレスネットがあります。ペットと暮らしている場合、網戸が破られる心配がありますが、その場合にはひっかきに強いステンレスネットを使うと安心です。夏は、風通しの良い玄関で過ごすことが大好きなペットも多いと思いますが、ステンレスネットなら脱走の心配がありません。

ペットはいないが、虫の侵入が気になるという玄関には、防虫性の高いクリアネットもあります。ブラックネットとステンレスネットの網目は1,2mm角ですが、クリアネットは0,9角という細かさで、小さな虫も侵入できません。

網目は細かいのですが、網が細い為、ブラックネットやステンレスネットよりも通風性が高く、ブラックネットが74パーセントであるのに対し、クリアネットは74％もの風を通します。加えて、クリアネットは網目の交差する部分が融着されているので隙間がありません。その為埃が溜まりにくく、面倒な網戸の掃除が手軽にでき、常にきれいな状態を維持できます。

コロナ感染対策のサポートとしても、換気の良さは役立ちます。

参考サイト　換気を意識しましょう

 ykkのリフォーム用玄関引き戸とアウトセット玄関引き戸の特徴

玄関ドアから引き戸への交換には、リフォーム用玄関引き戸とアウトセット玄関引き戸（スライディングドア）があります。どちらもカバー工法で工事をするので1日で完了します。

引き戸に交換すると段差が心配と思われるかもしれませんが、専用の部材を使って段差なく仕上がります。段差がないと、ベビーカーや車椅子でも問題なく通行できます。また、玄関ドアと違って、ドアを開けっぱなしにする為に、手で押さえる必要がないので、車椅子での通行や、介助者と2人での通行が楽にできます。

YKKAPのリフォーム用玄関引き戸とアウトセット引き戸には、和風の外観デザインだけではなく、モダンな外観、ナチュラルテイストな外観にも調和するデザインとカラーが揃っています。引き戸への交換を検討される際には、ぜひご相談ください。

窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。

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