樹脂窓への交換はガラスの種類で効果と価格が変わる

樹脂窓への交換はガラスの種類で効果と価格が変わる

樹脂サッシと複層ガラスやトリプルガラスとの組み合わせである樹脂窓は、住宅に出入りを熱の量を抑える働きをします。そしてその効果は、ガラスの種類によって変わり、ガラスの種類によって価格が変わります。YKKAPなどのメーカーによっても断熱機能と価格が変わりますが、同じメーカー内でも断熱機能の高さによって価格が変わります。

樹脂窓に使われている樹脂とはどんな素材?

マドリモ 断熱窓 戸建用 樹脂窓

YKKAP マドリモ 断熱窓 樹脂窓

樹脂窓は樹脂で作られたサッシと複層ガラスやトリプルガラスが溶接されている窓です。アルミサッシと単体ガラスの窓と比較すると、断熱性に大きな違いがあります。断熱性の違いを生む理由の一つは、サッシに使われている樹脂の持つ性質です。

樹脂にはいろいろな種類があり、大きく分けると天然樹脂と合成樹脂があります。天然樹脂は自然界にある植物や鉱物、動物から抽出された物質から生成されます。合成樹脂は石油由来の人工的な物質です。

この中で日常生活に使われている樹脂は、一般的にプラスチックと呼ばれている合成樹脂です。そして樹脂窓に使われる樹脂も合成樹脂の一種で、塩化ビニル樹脂(PVC)というプラスチックです。

プラスチックと聞くと、紫外線で劣化し、褪色したり、変形したり、割れたりするのでは?と思う方は多いと思います。なぜなら日常生活で非常に多く使われているプラスチック製品は、それほど高い耐久性を持っていないことが多いからです。

それに比較すると、アルミの耐久性は非常に優れています。外気にさらされ続けても、変形したり褪色したりせず、長持ちします。その為、日本の住宅では長年に渡り、アルミサッシの窓が使われてきたのです。ただ、樹脂窓の使われる樹脂はアルミサッシと変わらないほどの耐久性を持っています。

100円ショップに行くとずらりと並んでいる製品のほとんどは、ポリエチレン(PE)というプラスチックです。それほど長持ちする製品ではないことをご存じなので、劣化しやすいというイメージがあるのではないでしょうか?

一方、樹脂サッシの原料である塩化ビニル樹脂(PVC)は、同じプラスチックでも、耐久性が全く異なります。強度も高いので自動車の部品や、住宅設備機器にも使われています。窓は、日中、常に紫外線にさらされていますが、そのような条件下においても、20年以上強度が低下しないということがYKKAPの調査で確認されています。

プラスチック製品には、紫外線による退色がおきる製品が多くありますが、YKKAPの樹脂窓は、表面の着色層に紫外線を通しにくいアクリルが使われています。その為、長時間、長期間紫外線にさらされていても、褪色で色が変化することはありません。30年以上、色の変化がなかったということが、YKKAPの試験で確認されています。

参考サイト YKKAP 強くて長持ち、やっぱり樹脂窓。
参考サイト 【プラスチックの種類と特徴】樹脂基礎│樹脂製品開発のための必須知識

樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシとアルミサッシの断熱性と価格の違い

樹脂窓の種類

サッシの違いによって断熱性が変わり、断熱性が高くなるほど価格が上がっていきます。

断熱性の違い

軽くて扱いやすく、高い耐久性を備え、安価であるという好条件が揃っているアルミサッシから、樹脂サッシへの採用率が高くなっている理由は、樹脂の持つ熱を通さないという性質によって、サッシを通して熱が出入りすることを妨げられるからです。

窓のガラス部分だけを複層ガラスに交換すると、ガラス部分からの熱の出入りは抑えられます。ただ、アルミサッシは、サッシとガラスや窓枠、レールに生じる隙間から熱の出入りや冷気の侵入は抑えられません。樹脂には柔らかさがあるので気密性が高く、レールとサッシ、サッシと窓枠の間に隙間を生まれにくいという良さがあります。

加えて、アルミサッシはガラスと組みたてられているので、ガラスとサッシの間から隙間風が入ってきてしまいますが、樹脂サッシとガラスは溶接されているのでサッシとガラスに隙間が生まれません。

このような違いによって、アルミサッシの窓には、ガラスを複層ガラスに交換しても、複層ガラスの効果を十分に活かしきれないという問題点があります。その結果、一枚ガラスから複層ガラスにガラスの交換をしたのに、思ったより冷暖房の効率が実感できなかった、ガラスの結露はなくなったが、サッシの結露はなくならないというような結果になってしまうことは少なくありません。

家の中への熱の出入りが最も多い場所は窓です。窓の断熱性は家全体の温度調整に大きく関わります。

参考サイト一般社団法人日本建材・住宅設備機器協会 開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?

価格の違い

樹脂サッシはアルミサッシに比較すると価格が上がってしまいます。窓一つだけなら数万円の差なのですが、家の中には数多くの窓があります。その為、窓全部の総額で比較すると、一般的な建坪の住宅では、100万円以上の差が出てしまいます。

そこで新築時の建築費用や、リフォーム費用を抑えて、住宅の断熱性を高める目的で開発されたサッシがアルミ樹脂複合サッシです。樹脂サッシよりは断熱性能が低下しますが、アルミサッシと比較するとはるかに高い断熱性が得られます。現在、日本国内の新築住宅に、アルミ樹脂複合サッシが最も多く使われています。

リフォームで樹脂サッシと組み合わせられるガラスの種類

樹脂窓の熱を通す率が低いもう一つの理由は、ガラスです。ガラスの種類によって樹脂窓の断熱効果の高さが変わります。

複層ガラス

  • 複層ガラス 2枚のガラスの間の空気層が熱の伝わりを抑えるガラスです。
  • Low-E複層ガラス(断熱タイプ) 室内側にLow-E金属膜がコーティングされた複層ガラスです。基本の複層ガラスより高い断熱性を備えています。結露の発生も抑えられます。
  • Low-E複層ガラス(遮熱タイプ) 室外側にLow-E金属膜がコーティングされた複層ガラスです。冬は室内の暖かさを逃がさず、夏は日射を遮蔽して室温の上昇を抑えます。内装や家具の紫外線による退色や、午後の西日の眩しさを抑える働きもします。

トリプルガラス 

3枚にガラスが組み合わされた世界トップクラスの断熱性能を備えるガラスです。トリプルガラスには、窓の向く方向に合わせて2つのタイプが用意されています。リフォームでは、窓交換の場合だけトリプルガラスを選べます。

  • 日射取得型トリプルガラス Low-E金属膜がコーティングされたガラスと2枚のガラスの3枚が組み合わせされたトリプルガラスです。冬に陽射しを採り込みやすいタイプです。
  • 日射遮蔽型トリプルガラス 2枚のLow-E金属膜がコーティングされたガラスとガラスの3枚が組み合わせされたトリプルガラスです。西日を抑えるタイプです。

窓のリフォームの種類によって変わるガラスの選択肢

新築住宅の場合、樹脂サッシとガラスの組み合わせは自由に選べますが、リフォームの場合には、リフォームの種類によって選べるガラスが決まっています。

窓のリフォームの種類

窓のリフォームには窓交換と内窓設置があります。

窓交換 マドリモ断熱窓

マドリモ 断熱窓 戸建用 工法の解説

サッシごと窓を交換するリフォームです。今ある窓枠の上に新しい窓枠を取り付け、新しい窓を取り付けるカバー工法で行われます。窓のサイズを小さくする、開閉方法を変えるといったこともできるので、リフォーム方法の幅が広がっています。雨戸や面格子がついている窓も、雨戸や面格子はそのまま残して工事ができます。

マドリモの窓交換で選べるガラスの種類

断熱窓の種類

  • ダブルLow-E膜日射遮蔽型トリプルガラス
  • シングルLow-E膜日射取得型トリプルガラス
  • 防犯合わせLow-Eトリプルガラス
  • Low-E複層ガラス 遮熱タイプ
  • Low-E複層ガラス 断熱タイプ
  • 真空トリプルガラス
  • 防犯合わせLow-Eトリプルガラス

内窓設置

内窓 プラマードU 

今ある窓はそのままに、室内側に新しい窓を取り付け、二重窓にするリフォームです。断熱効果に加えて防音効果も得られます。YKKAPの内窓は、全て樹脂サッシです。アルミ樹脂複合サッシはありません。

マドリモの窓交換で選べるガラスの種類

YKKAP 内窓のガラスの性能

  • 単板ガラス (断熱性なし)
  • Low-E複層ガラス 遮熱タイプ
  • Low-E複層ガラス 断熱タイプ
  • 防犯合わせLow-Eトリプルガラス

 外部からの騒音や家の中から出ていく生活音を解決する防音対策として、最も効果的な方法は二重窓です。二重窓は防音効果が高いと言っても、二重窓にする方法や、二重窓に使う内窓の種類によって、効果の高さも価格も変わってきます。
コラム 二重窓の防音効果は騒音の程度に合わせて選ぼう

■ 窓はガラスとサッシで構成されていますが、ガラスとサッシの組み合わせによって窓の機能性は大きく変わります。
コラム 窓はサッシとガラスで機能の高さが変わる

春から一気に増える紫外線、夏の暑さは、窓から家の中に侵入してきます。冬に家の中から暖かさが逃げ、冷気が侵入してくる場所も窓です。冬の間は室内を暖かくする樹脂窓ですが、初から夏にかけては紫外線の侵入を抑えて、日焼けや、家具、内装の褪色を防ぎます。加えて、日射による室温上昇を抑え、室内を涼しくします。

ご自宅の環境に合わせてリフォームの種類を選び、ご予算に合わせてガラスの種類を選んで、家の中を快適にする窓にしませんか?

■ リフォームの際に受けられる補助金も活用しましょう。窓と組み合わせると、玄関ドアのリフォームも補助金の対象になります。
コラム 玄関ドアと窓のリフォーム2022年の補助金はいくら?

窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。

私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。

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窓屋窓助編集部

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