窓の種類と名称・ガラスの違い

窓の種類と名称・ガラスの違い

窓の種類には2通りの分け方があります。ひとつは窓の開き方による種類の分類です。開き方による名称はメーカーによって変わることもあります。例えば、ykkではツーアクション窓と呼ばれている窓は、海外製の窓ではドレーキップ窓と呼ばれています。もう一つは窓の機能による種類の分類で、ガラスやサッシによる機能で分類します。

窓の種類と開き方別の名称

窓には異なる開き方の窓があります。窓の向いている方向やサイズ、窓周辺の環境によって最適な窓に交換することで、室内の環境を向上させることができます。

引き違い窓

日本の住宅で一般的に使われている窓です。横に引いて開閉します。同じ引き違い窓でも、テラスやベランダへの出入りができる掃き出し窓と呼ばれる引き違い窓と、出入りができない引き違い窓があります。

テラスやベランダへの出入りができる掃き出し窓

出入りができる掃き出し窓には、天井までの大開口もあります。

上部が壁になっている引き違い窓 一般的な掃き出し窓

床から天井までの大開口引き違い窓 天井までのガラスが室内と室外を視覚的に一体化させる窓です。リビングに居ながらウッドデッキやテラスにいるような感覚が生まれます。

出入りができない引き違い窓の種類

出入りができない引き違い窓は、位置によって名称が変わります。

腰高窓 腰の高さの窓です。窓の下に家具が置けます。

高窓 高い位置に設けられる窓です。ハイサイドライトとも呼ばれます。プライバシーを確保したいが陽射しと風は採り入れたいというようなケースに適しています。高い位置にあるので、外部からの視線が入らず、腰高窓に比べて長時間陽射しを採り入れられます。また、腰高窓と対面に設けることで、風通しが良くなります。

地窓 低い位置に設けられる窓です。ローサイドライトとも呼ばれます。庭の景観を部分的に切り取って楽しめる窓です。雪見障子と同じような効果があり、茶室にはよく使われている窓です。

引き違い窓の枚数と固定する窓との組み合わせのバリエーション

引き違い窓にはガラス戸の数が2枚のタイプと4枚のタイプがあります。

引き違い窓 2枚であっても4枚であっても、ガラス戸すべてが動きます。

引き違い窓

片引き窓 2枚のガラス戸のうち1枚が固定されているタイプです。中央にフレームが来ないので、庭の景観が室内に与える彩りがより豊かになります。

片引き窓

両袖片引き窓 中央のガラスが固定されていて、左右のガラス戸が開閉できるタイプです。

両袖片引き窓

引込み窓 左右のガラス戸を開閉し、中央が開くタイプです。リビングの掃き出し窓に採用するとより開放的な空間が生まれます。

引き込み窓

 

その他の開閉方法の窓

最も多く使われている引き違い窓の他に、開閉方法の異なる風を採り込みやすい窓、陽射しを採り入れやすい窓などがあります。

片上げ下げ窓

上下に並んだ2枚ガラス戸の内、下のガラス戸を上げ下げして開閉する窓です。洋風な住宅の外観に調和します。ガラス戸はどこにでも固定できるので、開き具合によって風の量を調整できます。

上げ下げ窓 

たてすべり出し窓

室外側に滑り出して開く窓です。ウィンドキャッチ窓とも呼ばれ、壁に沿って通り抜けていってしまう風をガラス戸に当て、室内に採り込む働きをします。

たてすべり出し窓

ウィンドキャッチ連窓

固定したガラス戸の両側にたてすべり出し窓がついている窓です。風通しが良くなる窓です。

すべり出し窓

室内側に滑り出して開く窓です。ガラス戸が庇の働きをするので小雨なら窓を開けたままにしておけます。

すべり出し窓

ツーアクション窓

内開きと内倒しの2通りの開け方ができる窓です。北欧でよく使われているドレーキップ窓と同じです。

ツーアクション窓


天窓

屋根に設ける窓で、トップライトとも呼ばれます。どの窓よりも採光量の多い窓ですが、北向き以外の方向に設けると、夏は非常に室温が上がってしまいます。

天窓

FIX窓

固定窓とも呼ばれる開閉できない窓です。引き違い窓や縦すべり出し窓と組み合わされたり、丸や菱形などの形状にして外観デザインのアクセントとして使われたりします。

FIX窓

窓の機能による種類と名称の違い

窓には開閉方法の他に、ガラスやサッシの違いによって機能が異なります。

機能別ガラスの種類

ガラスには、断熱、防犯・災害対策、遮音・防音、プライバシー確保といった機能があります。

断熱

平成の中頃まで、戸建て住宅や共同住宅の窓には1枚のガラス(単板ガラス)が一般的に使われていましたが、断熱性はありませんでした。現在は、新築住宅においては断熱機能のあるガラスが使われています。窓ガラスは住宅全体の断熱性に非常に大きな影響があるため、築年数の長い住宅では、断熱機能のある窓にリフォームするケースが増えています。

複層ガラス

枚のガラスの間の空気層が熱の伝わりを防ぎ、暖房の効率を向上させます。

Low-E複層ガラス(断熱タイプ)

複層ガラスの室内側に熱の伝わりを抑えるLow-E膜がコーティングされたガラスです。冬は暖かい陽射しを採り込みつつ、暖房の熱の流出を防ぎます。

Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)

複層ガラスの室外側に熱の伝わりを抑えるLow-E膜がコーティングされたガラスです。冬は熱の流出を防ぎ、夏は日射と紫外線を遮ります。また、西日の当たる部屋の内装や家具の日焼けによる褪色を防ぎます。

参考資料 板硝子協会複層ガラス/Low−E複層ガラス普及率の推移

トリプルガラス

3枚のガラスの間にアルゴンガスが注入されているガラスです。現在、全てのガラスの中で最も優れた断熱性のあるガラスです。

日射取得型トリプルガラス シングルLow-E膜で太陽の暖かさを採り込みます。

日射遮蔽型トリプルガラス ダブルLow-E膜で太陽の直射熱や紫外線を遮ります。

■ 断熱リフォームには数種類の方法がありますが、費用を抑えて効果を上げる為には断熱窓へのリフォームが最適です。

コラム 断熱リフォームの種類・効果が高い方法は壁や床の断熱?

防犯・災害

安全合わせ複層ガラス/防災安全合わせ複層ガラス

重い物がぶつかったり、窓ガラスを割ろうとしたりしても、ひびが入るだけで破片がほとんど飛散しないガラスです、災害や侵入強盗の被害を抑えます。

遮音・防音

室内からの生活音や外部からの騒音など、音の出入りを妨げる機能を持ったガラスです。

安全合わせ複層ガラス・防音タイプ

特殊な樹脂中間膜が挟み込まれたガラスで高い遮音効果を持っています。

プライバシー確保

外部からの視線が気になる窓には、型ガラスやすりガラスの他に、目隠し機能を備えた窓もあります。

ブラインド入複層ガラス

2枚のガラスの間にブラインドが組み込まれた複層ガラスです。ブラインドの角度を調整して外部からの視線や、採光量を調節できます。

■ 窓の目隠し対策は目的と窓周辺の環境に合わせて対策することが大切です。コラム 窓の目隠しは目的と窓周辺の環境に合わせて対策しよう

機能別サッシの種類

サッシの種類によって断熱性能が変わります。ガラスの断熱性が高くても、サッシに断熱性がないと、ガラスの断熱性が十分活かされない、サッシに結露が発生するなどの問題が起こります。

アルミサッシ

単板ガラスが、住宅の窓ガラスの主流であった平成の中頃まで使われていたアルミ製のサッシです。軽く耐久性が高いという良さがある一方、断熱性はありません。また、ガラスとサッシは組み立て式なので、隙間風が入ってきます。

樹脂サッシ

樹脂で作られたサッシです。非常に断熱性が高いことに加えて、ガラスと融接されているので隙間風も入ってきません。

アルミ樹脂複合サッシ

室内側に樹脂サッシ、室外側にアルミサッシが組み合わされているサッシです。樹脂サッシは優秀なサッシですが、まだまだ高額です。アルミサッシと組み合わせることで、断熱性を高めつつコスト削減を目的に開発されました。現在、北海道などの極寒地域以外で、最も多くの住宅に採用されているサッシです。

窓の種類の選び方

寒さを何とかしたいという場合には、断熱機能のあるガラスとサッシ、防犯性を高めたい場合には、安全合わせ複層ガラス、風通しを良くしたい場合には縦すべり出し窓というように、リフォームの目的に合わせて、適切なタイプを選ぶことが大切です。防音したい場合には、このガラスに交換するより、内窓を設置して二重窓にする方が高い効果が得られます。

リフォームの目的ははっきりしているが、どの窓を選んだらよいのかわからないという場合には、窓屋窓助にご相談ください。窓の向きや他の窓との位置関係、窓周辺の環境、ご予算に合わせて最適な窓をご提案させていただきます。

■ 入ってくる音の問題も、出ていく音の問題も、二重窓にするだけで、大きく改善できます。コラム 防音は二重窓だけで効果が上がる?最強の二重窓とはどんな窓?

窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。

私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。

窓リフォームの施工事例

監修者情報

窓屋窓助編集部

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