窓をリフォームで小さくする費用と効果
窓のリフォームには3種類の方法がありますが、この中で窓交換という方法を取ると、窓のサイズを小さくできます。さらに窓交換には2つの工事方法があり、選び方で費用が大きく変わります。
断熱の為にお風呂の窓を小さくするリフォームと、雰囲気を良くする為にリビングの窓を小さくするリフォームでは、最適な工事の方法が異なります。
Contents
窓をリフォームで小さくする工事の方法
窓を小さくする為の窓交換工事には、はつり工法とカバー工法があります。
はつり工法
窓があった場所に壁を作り、新しく小さな窓を取り付ける工事です。
既存の外窓を交換する際、古いサッシを枠ごとを取り除き、新しいサッシに交換する工事をいいます。
カバー工法
サッシごと窓を取り外し、壁についている枠の上に新しい窓枠を被せた上で、パネルと新しい小さな窓を取り付ける工事です。
- 外壁を壊さないので騒音、粉塵が抑えられ、2時間から半日で工事が終了します。
- 室内から施工すると足場などの無駄なコストがかかりません。
今ある窓枠に新しい窓枠をかぶせて取付けるカバー工法。
壁を壊さず、住みながら最新の断熱窓へリフォームできます。
サッシやガラスの選び方で、断熱性や遮熱性の効果の高さは変わりますが、工法の違いによる断熱効果の差はありません。違いは仕上がりの見た目と費用の差です。
はつり工法の仕上がり
壁を壊すので、もともと窓があった場所は壁になり、室内側も室内側も、始めから小さな窓がついていたように仕上がります。
- ・窓を小さくして内装や外観のイメージをより良くしたい
- ・窓を小さくするのと併せて、断熱や遮熱、プライバシー確保などの効果も得たいが、内装や外観のイメージはもとからあった小さな窓という雰囲気にしたい
このような目的がある場合には、はつり工法が向いています。
カバー工法の仕上がり
窓があった場所にパネルを取り付けるので、窓枠の中に窓とパネルがあるという仕上がりです。もともと小さな窓がついていたという雰囲気にはなりません。通りに面していない窓であれば気にならないと思いますが、窓の位置によっては外観に多少の影響があると感じる人がいらっしゃるかもしれません。
窓を小さくする目的が、断熱や遮熱である場合には、パネルではなくFIX窓と組み合わせる方法を取れば、外観の窓枠に中にパネルがあるという違和感はなくなります。
アルミサッシと単板ガラスの窓であれば、できるだけ窓を小さくすることが、冬は寒さ、夏は暑さの回避に繋がりますが、断熱窓であれば、敢えて窓を小さくしなくても断熱・遮熱効果を得られるからです。
一方、窓を小さくする目的が、システムバスの導入にあたり、浴室内の配置を変えたいという場合には、窓とパネルを組み合わせる必要があります。システムバスには規格サイズと規格レイアウトがある為、窓が邪魔になって導入できないケースがあるからです。
- ・シャワーの取り付け位置に窓がある
- ・システムバスの天井から窓がはみ出す
- ・浴槽に窓が被ってしまう
このような状況の場合には、FIX窓ではなくパネルを取り付けて壁にする必要があります。パネルを取り付けても浴室内の雰囲気には違和感が生まれません。
また、多くの場合、浴室の窓は視線が入りにくい環境に面していることや、浴室の窓には面格子を取り付けられている住宅が多いことから、窓枠の中にパネルがある仕上がりがそれほど気になることはないと思います。
はつり工法の費用と工事期間
窓枠周りの壁を壊して新たに壁を作り、そこに新しい窓枠を取り付けるので、窓の取り付け工事費の他に、撤去工事費、廃材処分費、内装の張替え工事費、2階の窓の場合には足場設置費などが加算されます。その為、ひと窓で40～60万円程度の費用がかかります。
また、壁の撤去、廃材処分、窓の取り付け、内装貼り替え、足場設置など、複数の業者による作業をする為、工事には数日かかります。それぞれの業者のスケジュール調整がスムーズにいかないと、1週間以上かかってしまうこともあります。
カバー工法の費用と工事期間
- 9:00 工事スタート古い窓の取り外し
- 9:15 気密シート取り付け
- 9:30 新しい枠の取付け
- 10:30 気密シート巻き込み
- 10:45 新しい窓の取り付け
- 11:00 額縁の取り付け
- 12:00 完成
今ある窓枠に新しい窓枠と窓を取り付けるだけなので、ひと窓数時間で交換できます。また、浴室やキッチンで面格子が取り付けられている窓であっても、室内側からの工事なので、面格子を外さずに工事ができます。
窓をリフォームで小さくすると得られる効果
窓交換で窓を小さくすると、断熱以外に室温上昇を抑える効果やプライバシー確保などの効果が得られます。
断熱効果
窓を小さくする際に、断熱機能のある複層ガラスやLow-E複層ガラス、トリプルガラスと、アルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシの窓を選ぶと、断熱効果が得られます。冬の入浴が寒いのでシステムバスに交換し、浴室暖房も取り付けたが、思ったほど暖かくならなかった…というご家庭はありませんか？
この原因はシステムバスや、浴室暖房の機能が低かったわけではなく窓にあります。ホカホカする床や浴室暖房が取りつけられていても、窓からの冷気がその効果を低下させてしまうのです。
窓を小さくすれば冷気の侵入が抑えられるという考え方もありますが、小さくしたとしても窓に断熱機能がなければ、浴室の寒さは改善されません。
遮熱効果
西向きの窓が設けられている浴室では、午後の間ずっと熱い陽射しが浴室に入り続ける為、入浴の時間帯には、浴室の温度がかなり上昇してしまいます。窓周辺の環境によっては、窓を開けて入浴できることがあるかもしれませんが、住宅地では窓を全開放して入浴することは難しいでしょう。
その結果、午後の蓄積した暑さの中で入浴することになってしまいます。このような状況は、窓交換の際に、窓を小さくするだけではなく、Low-E複層ガラス遮熱タイプを選ぶと解決できます。
Low-E複層ガラス遮熱タイプは、太陽の熱を跳ね返して室内に侵入させないという働きをするガラスです。紫外線をカットする働きもあるので、浴槽の褪色など紫外線による劣化も防げます。
プライバシー確保
浴室の窓には型ガラスが使われているが、夜間の入浴では窓に人影が映り込んでしまうので気になるという理由で、窓を小さくするケースもあります。このような場合には、窓の上部だけ残す、窓の左右に狭く残すなど、窓まわりの環境に合わせて、パネルと窓の割合を決めていくと、より高い効果が得られます。
窓交換に使えるガラスとサッシの種類
窓の交換ではガラスとサッシの種類によって効果の高さとかかる費用が変わります。
複層ガラス
2枚のガラスが組み合わされたスタンダードな断熱ガラスです。
Low-E複層ガラス
2枚のガラスのうちの1枚にLow-E金属膜がコーティングされたガラスで、複層ガラスより高い断熱効果があります。さらにLow-E複層ガラスには、断熱タイプと遮熱タイプがあります。
断熱タイプは日当たりの悪い部屋でも陽射しを採り込む働きがあり、遮熱タイプは太陽熱を反射させて室温の上昇を妨げる働きがあります。複層ガラスより高額ですが、断熱タイプと遮熱タイプに価格の違いはありません。
トリプルガラス
3枚のガラスが組み合わされたより断熱性の高い断熱ガラスです。内窓、ガラス交換、窓交換という3種類ある窓のリフォームの中で、トリプルガラスの窓にできる方法は、窓交換だけです。トリプルガラスにも断熱タイプと遮熱タイプがあります。
アルミ樹脂複合サッシ
室内側に樹脂、室外側にアルミが使われた複合サッシです。樹脂には熱を通さないという性質があり、窓のサッシに採用すると、サッシ部分の結露や、サッシとガラス、サッシと窓枠の間の隙間風を防ぐという働きをします。
ただ、非常に高価である為、コストダウンの為にアルミ樹脂複合サッシが開発されました。樹脂サッシほどの高い断熱性はありませんが、北海道などの極寒の地域以外では、十分な断熱性能を発揮し、結露も軽減します。
樹脂サッシ
室内側にも室外側にも樹脂が使われている断熱性の高いサッシです。
目的に合わせた工法と素材選びが効果を上げる
窓を小さくするリフォームの際には、併せて得たい効果に合わせて、工法とガラスやサッシを選ぶことが大切です。窓を小さくすることにこだわらなければ、内窓設置という窓交換と同等の効果が得られ、費用を抑えられるリフォームもあります。
窓を小さくしたい理由と得たい効果、求める仕上がり、予算に合わせて、最も良い結果を生む窓のリフォームをしましょう。選び方で迷ってしまったら、お気軽にご相談下さい。
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